2018/10/27
यदृच्छया चोपपन्नं स्वर्गद्वारमपावृतम् ।
yadṛcchayā copapannaṃ svargadvāramapāvṛtam |
सुखिनः क्षत्रियाः पार्थ लभन्ते युद्धमीदृशम् ॥२.३२॥
sukhinaḥ kṣatriyāḥ pārtha labhante yuddhamīdṛśam ||2.32||
プルターの息子よ
開いている天国の門が思いがけなくやって来た
幸運なクシャットリヤ達だけが
この種の戦争を得ます[32]
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天国の門がアルジュナに開かれていると
クリシュナは言いました。
自分の義務を行い死ぬ人は、天国[スヴァルガ]へ行く
聖典で約束されるカルマ・パラです。
祈ることは何もせずに、天国の門が開かれました。
とクリシュナは言い、また
この種の戦争は普通の人によっては得られない
[ユッダム・イードゥルシャム]
幸運な人だけが得られる
[スキナハ クシャットリヤーハ ラバンテー]
と言いました。
これはドゥルヨーダナの軍隊のクシャットリヤ達が
不運であったことを意味するのでしょうか?
ドゥルヨーダナの軍隊のクシャットリヤ達も
戦おうとしていたことは確かですが
彼らは、強奪者をサポートし、混乱していました。
彼らはアルジュナの様に
清らかな心で戦う事が出来ませんでした。
彼らは兵士で、自身の戦う理由があり
それが義務だと言ったかもしれませんし
それが真実であったかもしれませんが
内側の混乱は避けられないものでした。
彼らもスヴァダルマをしていたのですが
それは完全なダルミャではありませんでした。
彼らのリーダーは、強奪者だったのですから。
ビーシュマ、ドローナ、ドゥルヨーダナの全軍隊は
ドゥルヨーダナに恩を着せられ
完全にダルマと調和せず、そこにいたのでした。
一方、アルジュナはダルマと調和していました。
ダルマを守るクシャットリヤにとって
それ以上の好機[ヤドゥルッチャヤー]なく
これは明らかにダルマの戦い[ダルミャ・ユッダ]です。
ダルマの観点からも、悲しむ理由などないのです。
教えの最初の言葉が「アショーチャーン アンヴァショーチャーハ トヴァム」
クリシュナは、その悲しみに本当の基盤など無い
と言い、絶対的に扱いました。
そして、自分自身の義務[スヴァダルマ]に基づく
相対的な観点から扱いました。
アルジュナにとって、戦争[ユッダ]は
義務[スヴァダルマ]と一致していました。
すべき事は、戦う事だけでした。
幸運な人達だけが、その様な機会を得ます。
誰も彼もが、こんな風にはいきません。
अथ चेत्त्वमिमं धर्म्यं सङ्ग्रामं न करिष्यसि ।
atha cettvamimaṃ dharmyaṃ saṅgrāmaṃ na kariṣyasi |
ततः स्वधर्मं कीर्तिं च हित्वा पापमवाप्स्यसि ॥२.३३॥
tataḥ svadharmaṃ kīrtiṃ ca hitvā pāpamavāpsyasi ||2.33||
けれども、もしあなたがダルマに沿う
この戦争に従事する事を拒むのなら
あなた自身の義務や名誉を失いパーパを負うでしょう。[33]
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ダルマと調和するこの戦いをしないなら
アルジュナ自身のダルマを滅ぼす
とクリシュナは言いました。
為されるべきことが滅ぼされるとは
単に、それをしないということです。
また、アルジュナが今まで得た
名誉や名声をも失います。
[キールティム チャ ヒットヴァー]
以前アルジュナは、ハンターの姿で現れたシヴァ神と互角に戦い
シヴァ神は、アルジュナに武器を与えて祝福しました。
神であるシヴァと戦いを交え
アルジュナは、大きな名声を得ました。
その名声の全てが失われ
アルジュナは、パーパだけを負うのです。
戦わないこと、それ自体はパーパではありませんが
すべき義務から逃げ出すことは
パーパを招く行い[カルマ]です。
「アルジュナよ、あなたは罪を負うでしょう。
[パーパム アヴァープシャシ]
そしてあなたは名声も失うでしょう」
とクリシュナは言いました。
”行いをしなければパーパを負う”
これは、大変不明瞭な発言です。
要点は、成されるべき事をしない時
その代りに、別の行いをするので
その別の行いが
アドリシュタパラを呼び込むということです。
戦場から逃げ出すことは、行いです。
アルジュナの立場における、この”撤退する”という行為
つまり義務を放棄し、別の何かをすることは
明らかにアドリシュタパラを引き起こします。
このパーパを避けられないということは
クリシュナによって言われた
ダルマに基づくもう1つの議論でした。
「アルジュナは、哀れみ深い人だから森に行ったのでしょう」
なんて、誰も言うことはありません。
それどころか、名誉や名声を失うとクリシュナいました。