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ギーターヨーガ

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バガヴァッド・ギーター第1章①

2021-05-15

主人公アルジュナは第1章で、たくさんの悲しみの言葉を述べます。

悲しみの問題は「自分が自分を受け入れてはいないこと」にあります。

誰にでも弱みがあり、そこに触れられると人は、突然怒り、いらいらし、悲しみ、憎んだり、絶望的になったりと反応します。

しかし、人は突然絶望的になったりするのではなく、すでに絶望的なのです。

心理学者は悲しみには、理由があると言いますが、問題を感情に振り回されずに現実的に良く掘り下げて見ていったら、悲しみの為の本当の理由などはないという事に気がつくのです。

第1章のテーマはアルジュナの悲しみです。

クリシュナの教えは、ギーター第2章の11番目の詩からスタートしますが、偉大な戦士であるアルジュナが「あなたは、あれである[タット トヴァン アシ]」という教えを、なぜ知りたくなったのか?

それを知ることは、人がどの様にして、自分自身の探求を見出すのかを知る為にとても重要です。

クリシュナは時々厳しく話します。

「与えられた状況の中で、行うべきことを行いなさい」と、アルジュナに何度も何度も話します。

これは様々な状況にある、私達誰にでも、当てはめ直すことができます。

アルジュナの心境を、自分の中にある心境と重ね見ていきます。

バガヴァッド・ギーター全詩は、ヴャーサから遠くのものが見える目を授かった、盲目の王の従者サンジャヤのレポートです。

インドの伝統では、どんなはじまりも祈りではじまります。

祈りは、表現され、ほのめかされたりもします。

ギーターの最初の言葉である「ドゥリタラーシュタラ」は、ほのめかされた祈りの形です。

王国を支えている人、宇宙全体を支える人という意味でもあるので、ドゥリタラーシュタラはイーシュヴァラの名前でもあるのです。

イーシュヴァラの名前でギーターをはじめることによって、伝統的な物事の幕開けの祈りが暗示されています。

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धृतराष्ट्र उवाच।

धर्मक्षेत्रे कुरुक्षेत्रे समवेता युयुत्सवः।

मामकाः पाण्डवाश्चैव किमकुर्वत सञ्जय॥ १-१॥

ドゥリタラーシュタラは言いました。

サンジャヤよ!ダルマの宿る土地、クルクシェットラに、戦う意欲に燃えて集まった者たち

私の身内達と、パーンダドゥの息子達は、いったい何をしたと言うのか?(1)

「いったい何をしたと言うのか?」という質問は、無知から生まれた価値に関する混乱を映し出しています。

ドゥリタラーシュタラは物語の中で盲目ですが、それ以上に彼の考えは、ダルマとアダルマに盲目でした。

ここで盲目とは、無知であり、識別の欠落[ア・ヴィヴェーカ]です。

ギーターは2つのア・ヴィヴェーカを扱います。

1、「ダルマ」と「アダルマ」

2,「アートマー(私)」と「アナートマー(私以外)」

ギーターは「ヨーガ・シャーストラ」「ブランマ・ヴィッデャー」と言われます。

混乱は無知から生まれます。

誰にでも様々な価値は理解されますが、間違った行いがなされるということは、その価値の価値が理解されていないことを意味します。

アダルマに向かう傾向は、ダルマの価値の価値に関する識別の欠落[アヴィヴェーカ]から生まれるものです。

外側で起こるどんな問題も、内側の問題から起こります。

全ての争いは、最初は人の考えの中で戦われて、その混乱が実現されます。

考えの混乱なしに、外側の混乱はないのです。

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सञ्जय उवाच ।

दृष्ट्वा तु पाण्डवानीकं व्यूढं दुर्योधनस्तदा ।

आचार्यमुपसङ्गम्य राजा वचनमब्रवीत् ॥१-२॥

サンジャヤは言いました。

さて、パーンダヴァたちの先頭配置した軍隊を見て、王であるドゥルヨーダナは

彼の先生(ドローナ)に近づいて行って、次の言葉を述べました。(2)

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ここからは、ドゥルヨーダナがドローナ先生の気持ちを鼓舞しようと、パーンダヴァ側の偉大な戦士[マハーラタ]を述べている詩です。

पश्यैतां पाण्डुपुत्राणामाचार्य महतीं चमूम् ।

व्यूढां द्रुपदपुत्रेण तव शिष्येण धीमता॥ १-३॥

先生!あなたの優秀な弟子、ドゥルパダの息子によって先頭配置された

パーンドゥの息子たちのこの偉大な軍隊を見て下さい。(3)

अत्र शूरा महेष्वासा भीमार्जुनसमा युधि ।

युयुधानो विराटश्च द्रुपदश्च महारथाः ॥१-४॥

これらが、この戦場での偉大な射手たちで、ビーマとアルジュナに匹敵する無敵の達人たちです。

ユユダーナ、ヴィラータの国の王、偉大な武勇の人であるドゥルパダ王(4)

धृष्टकेतुश्चेकितानः काशिराजश्च वीर्यवान् ।

पुरुजित् कुन्तिभोजश्च शैब्यश्च नरपुङ्गवः ॥१-५॥

ドゥルシュタケートゥ、チェーキターナ、勇敢なカーシーの王

プルジットとクンティボージャ、男の中の男シャイビャ、(5)

युधामन्युश्च विक्रान्त उत्तमौजाश्च वीर्यवान् ।

सौभद्रो द्रौपदेयाश्च सर्व एव महारथाः ॥१-६॥

とてもパワフルなユダーマンニュ、勇敢なウッタマウジャス

スバードラーの息子[アビマンニュ]、ドラウパディの息子達、これら全ての人がマハーラタです。(6)

अस्माकं तु विशिष्टा ये तान्निबोध द्विजोत्तम ।

नायका मम सैन्यस्य संज्ञार्थं तान्ब्रवीमि ते ॥१-७॥

しかし、二度生まれの中でも教養のある人よ。

我が軍の重要な指揮官達も名前をあげて説明しましょう。(7)

[द्विजोत्तम]2度生まれは褒め言葉、また吉兆である人間として生まれたからです。

भवान् भीष्मश्च कर्णश्च कृपश्च समितिञ्जयः ।

अश्वत्थामा विराटश्च सौमदत्तिर्जयद्रथः ॥१-८॥

まずは、栄誉あるあなた(ドローナ)。

ビーシュマ、カルナ、いつも勝利の人であるクリパ、アシュワッターマ、ヴィカルナ、ソーマダッタの息子(8)

[भवान्]あなたという言葉の最高峰

अन्ये च बहवः शूरा मदर्थे त्यक्तजीविताः ।

नानाशस्त्रप्रहरणाः सर्वे युद्धविशारदाः ॥१-९॥

他にも私のために、命をあきらめた数多の兵士たちがいます。

全員が様々な武器を持つ戦の達人です。(9)

「私のために、命をあきらめた数多の兵士たち」というドゥルヨーダナの言葉が、これから起こる予兆、まさに敗北をほのめかしてます。

अपर्याप्तं तदास्माकं बलं भीष्माभिरक्षितम् ।

पर्याप्तं त्विदमेतेषां बलं भीमाभिरक्षितम् ॥१-१०॥

ビーシュマに守られた我が軍は、打ち負かされることはありませんが

目の前の軍は、ビーマに守られてはいても、打ち負かされるでしょう。(10)

अयनेषु च सर्वेषु यथाभागमवस्थिताः ।

भीष्ममेवाभिरक्षन्तु भवन्तः सर्व एव हि ॥१-११॥

軍の全ての編隊において、あなた方各自の持ち場にぬかりなく

全員がビーシュマだけを守るべきです。(11)

ドゥルヨーダナの話を、ビーシュマは法螺貝を吹いて一掃します。

तस्य सञ्जनयन्हर्षं कुरुवृद्धः पितामहः ।

सिंहनादं विनद्योच्चैः शङ्खं दध्मौ प्रतापवान् ॥१-१२॥

クル一族の長老、勇ましきビーシュマは、ドゥルヨーダナを喜ばせる為

ライオンの如く唸り声をあげ、ほら貝を吹き鳴らしました。(12)

ततः शङ्खाश्च भेर्यश्च पनवानकगोमुखाः ।

सहसैवाभ्यहन्यन्त स शब्दस्तुमुलोऽभवत् ॥१-१३॥

すると突然、数多のほら貝、ケドラドラム、チューバ

牛の角が鳴り響き、大騒音を上げはじめました。(13)

ततः श्वेतैर्हयैर्युक्ते महति स्यन्दने स्थितौ ।

माधवः पाण्डवश्चैव दिव्यौ शङ्‍खौ प्रदध्मतुः ॥१-१४॥

そして、白馬にひかせた偉大な戦闘馬車に乗った、クリシュナ[マーダヴァ]とアルジュナも

神々しいほら貝を吹き鳴らしました。(14)

पाञ्चजन्यं हृषीकेशो देवदत्तं धनञ्जयः ।

पौण्ड्रं दध्मौ महाशङ्‍खं भीमकर्मा वृकोदरः ॥१-१५॥

クリシュナはパーンチャジャンニャ、アルジュナはデーヴァダッタという名前の法螺貝を

恐ろしい行為の人、オオカミの腹のビーマは巨大なパウンドラという法螺貝を吹き鳴らしました。(15)

アルジュナの法螺貝の名前:デーヴァから与えられた[デーヴァダッタ]