2021-07-24
ギーターは700の詩、全18章で、第1章と第2章10番まで詩は、マハーバーラタ物語の内容の続きです。
モークシャの為にコミットした2つの側面の要素[ダルマ]が、全17章で明らかにされます。
ウパニシャッドは、人の知性から生まれたものではないプラマーナですが、ギーターも、その要素を明らかにする本[グランタ]なので、プラマーナ・グランタと考えられています。
クリシュナ神自身が「私がここで言うことは、既にヴェーダの中で言われている」とハッキリ言う様に、ヴェーダに忠実で、同じ内容だからこそプラマーナ・グランタとして受け入れられているのです。
更にギーターは、ヴェーダの編集者であるヴャーサによって具現化されたものです。
全知[サルヴァ・ニャ]だと考えられていたヴャーサは、ヴェーダを4つのグループに分け、その家系の人が、その1つを勉強し、次の世代へ伝えられて行くようにしました。
マハーバーラタの壮大で美しい言葉のタペストリーの真ん中に、18章からなるギーターという形で、ヴャーサの知性が示され、ペンダントの宝石の様に、長い物語の真ん中にギーターが輝いています。
ギーターは、ヴェーダが言うことと矛盾せず、ヴェーダの言うことを広げて見せたり、例えて見せたりしています。
これがギーターがプラマーナである1つ目の理由です。 2つ目の理由は、ヴャーサによって現されたものだからです。
3つ目にヴャーサは、イーシュワラが特殊な肉体を装った形[アヴァターラ]として、ダルマを守る目的を成し遂げるため、クリシュナを現しているからです。
アヴァターラの概念が受け入れられたなら、アヴァターラであるクリシュナは、ナーラーヤナ神、つまりイーシュワラ自身です。
ですからクリシュナがギーターで話している時、それはイーシュワラが話しているのです。
話されていることは、バガヴァーンの言葉[バガヴァッド・ヴァチャナ]で、ヴェーダが述べることをバガヴァーンが、私達に言っています。
バガヴァーンは、バガという究極の6つの側面の徳を持った人のことです。
1.全知[ニャーナ]
2.完全な平静さ、公平さ[ヴァイラーギャ]
3.破壊-創造-維持の力[ヴィールヤ]
4.究極の名声[ヤシャス]
5.全ての富[シュリー]
6.完全な統治[アイシュワルヤ]
バガヴァッド・ギーターは「バガヴァーンの歌」という意味で、アヌシュトゥッブ(8.8.8.8)とトリシュトゥッブ(11.11.11.11)という2つの韻律があります。
ヴェーダという意味のシュルティと同様、バガヴァッド・ギーターという言葉も女性名詞です。
ギーターの中で、バガヴァーンはクリシュナで、クリシュナが6つのバガを持っていることを明らかにしたので、バガヴァーン本人として尊敬されます。
バガヴァーンの意味は「バガヴァーンが歌った歌」もしくは「テーマがバガヴァーンである歌」と理解することが出来ます。
バガヴァーンがテーマであるバガヴァッド・ギーターの扱う主題は「行い」と「行いを手放すこと」2つを意味しています。
1.カルマ・ヨーガについて話すヨーガ・シャーストラ
2.ブランマンの知識であるブランマ・ヴィッデャー 両者ともに目的は、ブランマ・ヴィッデャーの為ですから、ブランマ・ヴィッデャーが本当の主題です。
全ての行い[カルマ]を手放した人[サンニャーシー]は、ただただブランマ・ヴィッデャーを追求し、カルマヨーギーは、行いをしながらブランマ・ヴィッデャーを追い求めます。
何がブランマン?
何が神[イーシュワラ]?
何が世界のリアリティ[ジャガット]?
何が個人の本質[ジーヴァ]?
何が自分の真実[アートマー]?
ジーヴァとジャガットイーシュワラはどんな関係?
それぞれのリアリティ何なのか? それらに共通しているのは何か?
それらは1つか、それとも別れているのか?
ブランマンの知識[ブランマ・ヴィッデャー]が、これらの全ての答えを明らかにします。
このブランマ・ヴィッデャーを得るために必要だと言われている資質があり、その資質をカルマ・ヨーガだけが与えられます。
カルマ・ヨーガとブランマ・ヴィッデャーの両方が扱われているので、ギーターはギーター・シャーストラと言われ、完璧だと見なされています。
ギーターの中に、人が求める答えを見つけることが出来るので「ギーターに尋ねれば疑問は解消する」と人々は言います。
その様に使うものではありませんが、それはそうだとして、ギーター自身が与えるものを、あなたが求めているのかが問われています。