अर्जुन उवाच ।
अपरं भवतो जन्म परं जन्म विवसतः ।
कथमेतद्विजानीयां त्वमादौ प्रोक्तवानिति ॥४.४॥
arjuna uvāca |
aparaṃ bhavato janma paraṃ janma vivasataḥ |
kathametadvijānīyāṃ tvamādau proktavāniti ||4.4||
アルジュナが言いました。
あなたの生まれはそんなに昔ではありません。ヴィヴァスヴァーンの生まれは、はるか昔です。
あなたがこれを最初に話したと、どのようにして、私が知るでしょう。
-
第4章の最初の詩で、クリシュナは、この知識をヴィヴァスヴァーンに与えたと言いました。
クリシュナは、カムサによって牢獄に閉じ込められた、父ヴァスデーヴァと、母デーヴァキーの息子で、アルジュナとは同世代でした。
一方、ヴィヴァスヴァーンは、宇宙創造の時、はるか昔に生まれましたから、アルジュナは「どうしたら、あなたがヴィヴァスヴァーンに教えたと言えるのですか?」と聞きます。
ですから、この知識を伝授したイーシュワラだけがクリシュナであると、シャンカラは説明しています。
ギーターは、イーシュワラ・ジーヴァ・サムヴァーダです。
クリシュナが神であろうと、ヴャーサによって、神として表現されているだけであろうと、知る必要があることは、ギーターでは、神としてのクリシュナと、個人であるアルジュナの間の対話です。
クリシュナが、神の化身[アヴァターラ]であれば、神であるクリシュナと、ジーヴァであるアルジュナの対話と取ることができます。
あるいは単に、ギーターは物語[アーキャーイカー]で、神と個人の対話という形で、ヴェーダの知識をヴャーサが表現したと理解することも出来ます。
アルジュナは、ミスター クリシュナが、どの様にヴィヴァスヴァーンに教えた人であると言うのかを知りたかったのです。
アルジュナは、クリシュナが神であることを知っていたと、シャンカラは言いいます。
戦前にアルジュナは、無敵のクリシュナの軍隊か、武器を持たないクリシュナかという選択を迫られた時、軍隊ではなくクリシュナを選んだのですから。
アルジュナが、ミスター クリシュナだと思っているなら、戦争時にVIP待遇をしなければならないクリシュナを選んだりしません。
アルジュナはクリシュナが神だと知りながらも、クリシュナ自身の口からそれを聞きたかったのだとシャンカラは解説しました。
こうしてアルジュナは、第4章が始まるために必要な質問をしました。