2018-06-02

【ギーター】第2章23番目の詩

2018/06/02

नैनं छिन्दन्ति शस्त्राणि नैनं दहति पावकः ।

nainaṃ chindanti śastrāṇi nainaṃ dahati pāvakaḥ |

न चैनं क्लेदयन्त्यापो न शोषयति मारुतः॥२.२३॥

na cainaṃ kledayantyāpo na śoṣayati mārutaḥ||2.23||

武器がこれ(自分自身)を切ったり

火がこれを燃やしたりしません。

水がこれを濡らしたり

風がこれを乾かしたりもしません[23]

現在、過去、未来、どの時間においても

わたしは否定の対象ではありません。

否定の対象でないもの[アバーディタム サッテャム]は

否定されることは出来ないし

わたし、真実[サッテャ]は否定の対象ではないことから

この発言は揺るがされることがありません。

あなたこそが、真実なのです。

もし疑いがあるなら、あなた自身を否定してみて下さい。

否定している、まさにその人が

否定しようとしている人です。

ですからあなたは、自身を否定する事

それは不可能であることが分かります。

あらゆる否定することができるものは

サッテャではありません。

否定し続けている人が、サッテャ、自分自身で

唯一否定が出来ないものです。

アートマーにとって存在がないこと[アバーヴァ]などありません。

否定され得ることは

”私は限られている”という観念[ジーヴァットヴァ]です。

個人[ジーヴァ]の本質[スヴァルーパ]は

否定されることが出来ません。

”私は個人[ジーヴァ]である”という観念だけが

否定されることが出来ます。

この詩の中でクリシュナは

最初に武器ではアートマーを滅ぼすことが出来ない

と言いました。

武器には2種類あり

石、弾丸、矢のように

手から放たれる武器はアストラと呼ばれ

棒、ハンマー、剣の様に

手に持つ武器はシャストラと呼ばれます。

この詩では、シャストラは

両方の種類の武器を示しています。

アートマーは、いかなる武器を使っても

破壊の対象になりません。

なぜならアートマーが、ありとあらゆるものを

物として現しているのですから。

ありとあらゆるものを現しているものが

何らかのものとして現されたりできません。

あなた自身が全世界を、物として明かしています。

あなたが、世界を物として明かしていない限り

世界が、あなたをあなたに明かす事はありません。

アートマーはどんなものによっても

明かされることはありません。

明かされるものが、明かす人を

明かすことはないのです。

アートマー以外のありとあらゆるものは

アートマーの後に輝いているのですから。

意識というたった1つの源、それがアートマー、あなたなのです。

他の全てのものは、意識の対象物です。

意識は何らかの特別な形を持たちません。

もし意識に心臓があるなら

発作を起こすことが出来ますが、持ってません。

アートマーは、”心臓が鼓動している”と

気づくものなのです。

それは全ての対象の主体です。

この様に武器はこのアートマーを殺したりしません。

火は肉体を燃やすことが出来ますが

アートマーを燃やす事は出来ません。

同様に水は、アートマーを濡らしたり

湿らす事も出来ません。

風も乾かす事は出来ません。

世界の5元素のモデル

1.空間(आकाशः [ākāśaḥ] アーカーシャ)

2.風(वायुः [vāyuḥ] ヴァーユ)

3.火(अग्निः [agniḥ] アグニ)

4.水(आपः [āpaḥ] アプ)

5.土(पृथिवी [pṛthivī] プリティヴィー)

シャーストラの至る所で見る特別なモデルを見ます。

これらのエレメントは微かな形や、粗い形になり

この世界にある全ての物となっています。

微かなエレメントは考え、感覚器官etc

粗いエレメントは物理的な体と、物理的な世界です。

あなたの肉体は、5つの粗いエレメントから成ります。

肉体は空間[アーカーシャ]を占有し

血液がある所はどこでも、風[ヴァーユ]

すなわち酸素を含んでいます。

肉体は湿度、熱[アッグニ]を持ち

それは構成要素の1部でもある水[アーパハ]によるものです。

肉体はカルシウム、炭素、マグネシウムなど

土[プルティヴィー]に見られる物

と同じ鉱物を含んでいます。

同じレベルのリアリティに属しているものだけが

お互いに影響を与えあえます。

肉体や武器は同じ物理的な物質で

同じレベルのリアリティに属しているので

武器は、肉体を傷つけ、破壊する事が出来ます。

あなたが岩の影を犬にぶつける事は出来ません。

物と影は2つの異なる秩序のリアリティに属し

お互いに破壊する事が出来ません。

両方ともに同じリアリティを享有してなければなりません。

同じ秩序のリアリティに属している物も

お互いに影響する事はありません。

空間は、4つのエレメントと同じ秩序のリアリティに属しますが

他の4つのエレメントに影響されたり

破壊され得ません。

風は空間を乾かす事は出来ないし

火は空間を燃やす事が出来ないし

水は空間を水浸しにする事は出来ません。

剣を使って空間を破壊する事は出来ません。

空間は爆弾でも、ピストルでも破壊される事はありません。

汚染される事すら有り得ません。

空間汚染の様なものはなく

空気や環境が汚染されます。

形のない空間は、他の4つのエレメントでは

破壊する事が出来ません。

一方、1つの形が他の形に変わる様な変化

例えば、水素と酸素の原子が結びつき

水が生成されます。

どんな構造も変化する事が可能ですし

全く違う物になる事が出来ます。

「死」という言葉は何かの方法で変化し

存在しない特有の構造を表す言葉です。

部分、属性、構造を持つものは

何であれ破壊され得ます。

空間は、部分、属性、構造がないので

同じレベルのリアリティを共有する

他のエレメントによってですら破壊される得ません。

アートマーも、手足などの部分、属性、構造から自由です。

それは純粋な意識です。

わたしはこの世界を捉える、考えを含む

全てのものに気づいています。

この意識、アートマーを捉えることは出来ません。

どんな物も、同じリアリティに属していません。

アートマーはサッテャです。

アートマーだけが自分自身で明らかで

他の全てのものはアートマーに明かされます。

アートマーは自分自身で輝き

他の全てのものが、アートマーに輝かされます。

自分自身で明らかなものは

その存在を何にも頼ることなく

自分自身で存在しています。

土で出来た器は土に頼っています。

土は大地に他ならず、大地は原子に他なりません。

原子は素粒子に頼っています。

全てのものが他の何かに頼っていて

その何か他の物も、あなたのコンセプト(考え)に頼っています。

コンセプト(考え)は意識に頼っています。

意識だけが何にも頼っていません。

全世界はアサットです。

全ての物がアサットで、アートマーだけがサットです。

どの様にサットがアサットに破壊され得るこでしょう?

空間、風、火、水、土はアートマーによって存在します。

アートマーはサットで、エレメントはアサット

それらはアートマーを破壊する事が出来ません。

あなたの影が、あなたをからかったり

破壊する事が出来ないように。

鏡に映った物が鏡から飛び出したり出来ません。

けれども、このアートマーは存在しないもの

ゼロ、”無い”のでは?という疑いが起こるかもしれませんが

次の詩がこの疑いを鎮めます。

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