2018/10/13
स्वधर्ममपि चावेक्ष्य न विकम्पितुमर्हसि ।
svadharmamapi cāvekṣya na vikampitumarhasi |
धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयोऽन्यत् क्षत्रियस्य न विद्यते ॥२.३१॥
dharmyāddhi yuddhācchreyo'nyat kṣatriyasya na vidyate ||2.31||
そしてまた、自身の義務という観点からも
あなたは迷うべきではありません
なぜならクシャットリヤにとって
正義の戦いほど偉大なものはないのですから[31]
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クリシュナは絶対的な観点から離れ
何が適切で、為されるべきかという
ダルマの相対的な観点を取り上げます。
アルジュナが、第1章44節の発言
”家族が持つ役割を滅ぼした人々は
地獄に住むと私達は聞いてきました” など
ダルマに関する多数の発言から当然の成り行きです。
クリシュナは一般的に良しとされる事だけでなく
ダルマの観点からもそれを論じました。
スヴァ・ダルマの観点から見る事[アヴェークシャ]
その人自身によって成されるべき事を見る事
アルジュナのスヴァ・ダルマの観点から状況を見るなら
迷い、ためらうことは相応しくない
[ナ ヴィィンカムピトゥム アルハシ]
と、ここで再び言われます。
アルジュナは兵士[クシャットリヤ]で、王位を継ぐ王子でした。
ダルマを守る事を期待されていました。
アルジュナの義務は、法と秩序を保つこと
王家を統治し、守ることが彼のダルマでした。
従弟ドゥルヨーダナが王位を占領してきた事は
違法な行為で、アダルマでした。
アルジュナはクシャットリヤですから
ダルマの観点から、迷い、躊躇するべきではありません。
[スヴァダルマム アピ アヴェークシャ ナ ヴィンカムピトゥム アルハシ]
兵士は、平和な時も「万が一に備える」為に
そして知力を保つ為にも、絶え間なく訓練します。
戦争がない事は、幸運ではありますが
培ってきた技術は使用されず終わります。
戦う理由がないなら、もちろん戦いませんが
戦士が、技術を道理に基づき使う機会があるなら
培ってきた技術を使うのに、これ程良い機会はありません。
アルジュナにとって、道理にかなった機会でした。
[ダルマート アナペータム ダルミャム]
ダルマに反せず、純粋にダルマにかなっていて
アルジュナをそこに連れ込んだ人は成敗されるに値します。
ここでダルマ・ユッダは、ダルマを確立する事でした。
ダルマを脅かし、王国を占領した人は成敗されるに値します。
「今こそあなたが、武器と技術を披露する時です。
そしてそうする事があなたの義務です」と
クリシュナがアルジュナに言ったも同然でした。
アルジュナは人々を滅ぼす為や、勇敢さを披露する為でなく
ダルマを守る為、これらを訓練し、今こそ好機でした。
この様に、何が成されるべきかというダルマの観点からも
悲しみや、躊躇の余地など全くありません。
これが、クリシュナの言う1つの議論でした。
もう1つの議論は、クシャットリヤにとって
特に、アルジュナが成すべき、これ程相応しい事はありませんでした。
「アルジュナよ、成されるべき事はあなたによって成されるのです
この戦いは、あなたによって成されなければならない事です」
と、クリシュナは言いました。