एषा तेऽभिहिता साङ्‍ख्ये बुद्धिर्योगे त्विमां शृणु ।

eṣā te'bhihitā sāṅkhye buddhiryoge tvimāṃ śṛṇu |

बुद्ध्या युक्तो यया पार्थ कर्मबन्धं प्रहास्यसि ॥२.३९॥

buddhyā yukto yayā pārtha karmabandhaṃ prahāsyasi ||2.39||

自己の知識が話されてきました。今ヨーガの知識も聞きなさい
プルターの息子よ！あなたがそれを授かるなら、行いの束縛を取り除くでしょう［2-39］

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この第2章で、これまでsāṅkhyaが教えられました。

ギーターは、カルマ・シャーストラとモークシャ・シャーストラ、2つのシャーストラがあります。

ギーターは、モークシャ・シャーストラで、それはヴェーダーンタです。

カルマ・シャーストラは、様々なゴール［sādhya］を得る為、様々な儀式［karman］、又は手段［sādhana］を議論するカルマ・カーンダです。

カルマ・カーンダもvedaですが、カルマが主題です。

モークシャ・シャーストラの主題は、知識［jñāna］です。

◎カルマヨーガとサーンキャヨーガの違い

モークシャ・シャーストラは、カルマヨーガとサンニャーサという2つのライフスタイルで、2つの観点から見られる事が出来ます。

両方が、見極める力［viveka］がありますから、モークシャの為だけにあります。

カルマと、カルマヨーガの違いが、はっきりと理解されるべきです。

モークシャを得る為に、聖典の言葉が考えに輝くように、行いをイーシュワラに捧げることがカルマヨーガです。

その態度［atitude］が、行いをヨーガに変えます。

単にカルマを果たすことがヨーガではありません。

毎日行われるべき一連の祈り［nitya-karma］の1つはサンデャー・ヴァンダナと呼ばれます。

プージャー、祈り［vandana］を、日の出、正午、日没の3回行います。

sandhyāの文字通りの意味は「2つの時間が合う時」です。

こういったnitya-karmaは、何か結果を得る為か、考えを清める［antaḥkaraṇa-śuddhi］為に行う事が出来ます。

人が、antaḥkaraṇa-śuddhiを求めるのは、考え［antaḥkaraṇa］は、自己の知識を得る為に必要だからです。

カルマは、知識を得る為の考えの準備で、モークシャの為の間接的な手段です。

antaḥkaraṇa-śuddhiの為の祈りは、イーシュワラが、そのカルマを喜び、考えを清める事で祝福する事だけを願います。

祈りの行為は、心地よさや、または義務感から為されるかもしれませんが、antaḥkaraṇa-śuddhiの為に祈るならヨーガとなります。

祈り、帰依（拠り所とする）、サマーディの為のアシュターンガヨーガを含む様々なトピックが、カルマヨーガの中に含まれると、この詩のシャンカラの解説で述べられます。

知識［sāṅkhya］とカルマヨーガという2つの主題は、違いがあることを、この詩が明らかにしています。

この違いを理解しないなら、聞き手は、ギーター全体は矛盾していると混乱しますし、この違いが明らかであれば、理解は可能です。

◎知識は何をすることが出来るのか？

知識は、無知を取り除きます。

「天国が私の全問題の解決する」と考える事は、妄想［moha］です。

何処かに辿り着くこと、何かを得ることで悲しみは取り除かれること、という考えがmohaです。

真実の知識は、この無知を取り除きますから、知識がモークシャの直接的な手段です。

◎カルマヨーガは何をすることが出来るのか？

修業や鍛錬は、役に立ち、整理された、落ち着きのある考えを得たり、矛盾する出来事を、ある程度扱える様になります。

どの様な修業や鍛錬もヨーガと呼ばれ、知識を受けとる為に、整理された落ち着いた考えが必要です。

整理された落ち着きを得る為、カルマヨーガが必要です。

カルマヨーガは間接的な手段であり、知識を得る為の直接の手段ではありません。

「私はカルマヨーガ、あなたはニャーナヨーガを選ぶ。私もあなたも同じゴールに辿り着く」というのは違います。

考えが準備出来ている時にだけ、シャーストラの勉強は役に立つのです。

アンタッカラナの準備が、カルマヨーガで為されます。

◎カルマヨーガの賞賛において

カルマヨーガなく知識は起こりませんから、知識と同様重要であるとクリシュナは、カルマヨーガを賞賛します。

「カルマヨーガの知識が行いの束縛［karmabandha］を滅ぼす」と、クリシュナが言うのは、カルマヨーガを賞賛するためです。

ここでカルマとは選択のことで、ダルマ・アダルマ、すなわちプンニャとパーパを意味し、行いが個人を束縛しますからkarma-bandhaと呼ばれます。

カルマヨーガで効力を得た知識によって、karma-bandhaは滅ぼされます。

知識は、無知を滅ぼすものですが、どの様にカルマが滅ぼされるのか？と疑問が湧くかもしれません。

それは、無知の破壊と共に「私は行い手」という観念が破壊され、全てのカルマを破壊します。

サンニャーサ（サーンキャヨーガ）とカルマヨーガ両方のライフスタイルがサムサーラの破壊という役目を果たします。

しかし、知識と行いで成し遂げられることの違いは、ハッキリと理解されなければなりません。

そうでなければ、以下の4つの道として沢山の道があると言われたりします。

1.ニャーナ・ヨーガ

2.バクティーヨーガ

3.カルマヨーガ

4.ハタヨーガ

人の数だけ道があると言うのも間違いです。

イーシュワラの慈悲によって、清められた考えや教え、先生を得ていることに、私は気付きます。

これら全てがあり、私は知識を得るのです。

「カルマヨーガを授かり、イーシュワラへの慈悲で知識を得て、あなたはカルマの束縛から抜け出せるでしょう」

［ईश्वर-प्रसाद-निमित्त-ज्ञान-प्राप्त्या ^3/1］とシャンカラは解説で言いました。

「私はブランマンである」ということを理解しなければならず、他の方法はありません。

この教えに辿り着くまでに、人生において沢山の障害に会い、沢山の痛みを経験してきました。

それが、人々がこの教えに辿り着いたとて、障害は続きますから、この学びにおいてもイーシュワラの慈悲が必要です。

私達は、祈り深くなければなりません。

◎1つのヨーガ、2つのライフスタイル

モークシャの為には、知識が必要で2つのライフスタイルがあります。

カルマヨーギーの人生を生きるカルマヨーガと、隠退した人生を生きるサンニャーサです。

2つのライフスタイルは、モークシャという知識を暗示しています。

知識を得る為、適切に準備の出来た考えが必要ですから、バガヴァーンの慈悲を必要とします。

知識を得る為に、全てが準備できるように、イーシュワラの慈悲を切に願い、自分自身で汲み上げるのです。

これが束縛［samsāra］を取り除く唯一の方法です。

クリシュナは、カルマヨーガを讃えました。