千葉県立 青葉の森公園近くの小さなヨガ教室

ギーターヨーガ

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【ギーター】第3章43番目の詩

एवं बुद्धेः परं बुद्ध्वा संस्तभ्यात्मानमात्मना ।
evaṃ buddheḥ paraṃ buddhvā saṃstabhyātmānamātmanā |

जहि शत्रुं महाबाहो कामरूपं दुरासदम् ॥३.४३॥
jahi śatruṃ mahābāho kāmarūpaṃ durāsadam ||3.43||

この様に、知性より優れているものを知りながら、知性によって考えをしっかり整え

欲望の姿をした、とても理解しがたいものである敵を、滅ぼしなさい。マハーバーホーよ![43]

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前の詩でクリシュナは、知性に優り、知性が照らされてるものが、パラマートマーである事実を明かしました。

パラマートマーを知るために、統轄された考えが必要です。

安全や喜びを求めたカーマから、最も価値あるカーマへとシフトチェンジしますように。

束縛した願望を破壊するために、為されねばならない事をまとめ、クリシュナはこの章を締めくくります。


感覚器官や考えに優る知性、識別を意味するブッディが、考えと感覚器官を安定させます。

クリシュナは、アートマーがブッディよりも優れている事を知り、願望の姿をした敵を滅ぼさねばならないと言いました。

特別なミサイルを持つアルジュナにとっては、外側の敵を滅ぼす事は比較的簡単ですが、内側に宿る敵、すなわちカーマを滅ぼすには、戦術、成熟、客観性からの平静さ、そして理解を必要とします。

アルジュナがこれらの資質を持つ事をほのめかし、クリシュナはアルジュナを力強い腕を持つ人[マハーバーホー]と呼びました。



欲求の姿をした敵とは、ただ無知が表現されたものです。

人は無知を破壊しなければなりませんが、それは、知識を通してのみ為され得ます。

この敵が、理解することがとても難しいもの[ドゥラーサダ]と言われました。

どんな願望も、その後ろには背景があるので、願望には終わりがありません。

願望に苦しめられるなら、サムサーリーです。

知識を持つなら、願望がある事を楽しむことができます。

願望の外側に立つなら、全ての願望は恩典になるのです。

カルマ・ヨーギーであろうと、サンニャーシーであろうと、知識を通して以外、カーマを扱う他の方法はありません。

願望という敵を、真に征服する唯一のものである知識を持ってして、カルマと名付けられたこの章をクリシュナは締めくくります。

ओम् तद् सत् । इति श्रीमद्भगवद्गीतासु उपनिषत्सु  ब्रह्मविद्यायां योगशास्त्रे
श्रीकृष्ण-अर्जुन-संवादे ज्ञान-कर्म -योगः नाम तृतीयोऽद्यायः॥३॥


オームとは、神[バガヴァーン]の名前です。

言語学的に、この言葉は意味を持ちます。

「全ての人を守るもの、全てを支えるもがオームです[アヴァティ ラクシャティ イティ オーム]」

音声学的に「あ」は、口を開けた時、最初の音で、口を閉じた時に出る音が「む」です。

その間の「う」という音は、全ての物が含まれます。

「あ」と「う」が合わさると「おー」で、「む」と組み合わさるとオームです。



オームは、バガヴァーン、神の名前となり、また、これらの3文字は、全体を表しています。

国旗を見れば、その国を思えるように、「あ」は、物理的な全世界[ストゥーラ・プラパンチャ]を象徴し、「う」は、考えなどの、全体の微かな世界[スークシュマ・プラパンチャ]を象徴し、「む」は現れていない状態[カーラナ・プラパンチャ]を象徴します。



サンスクリット語で、この様なシンボリックな表現をアーローパと言います。

「あうむ」は、原因と結果の全領域を表し、それはブランマンに他なりません。

そのブランマン、オームがタト サトです。

あれ[タト]、神だけが、サト、サッテャムであり、神であるタトに頼ってある全ての物はミッテャーです。

「オーム タト サト」とは、普遍的な結論であり、それがブランマ・ヴィッデャーです。

自己の制御、自己の成熟など、考え方や、価値、サンニャーサーというライフスタイルに及ぶまでを扱うヨーガ・シャーストラも、ギーターは扱います。

クリシュナ神とアルジュナの間の対話は、知識を授けるための対話ですから、先生と生徒の間の対話[グル・シッシャ・サムヴァーダ]です。

議論[ヴァーダ]という言葉に、「サム」という接頭語が付け加えられています。



ウパニシャドの地位を持つバガヴァッドギーターの中で「カルマ」と題名された第3章が幕を閉じます。