千葉県立 青葉の森公園近くの小さなヨガ教室

ギーターヨーガ

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【ギーター】第3章10番目の詩②

2021/06/21

सहयज्ञाः प्रजाः सृष्ट्वा पुरोवाच प्रजापतिः ।

sahayajñāḥ prajāḥ sṛṣṭvā purovāca prajāpatiḥ |

अनेन प्रसविष्यध्वं एष वोऽस्त्विष्टकामधुक् ॥३.१०॥

anena prasaviṣyadhvaṃ eṣa vo'stviṣṭakāmadhuk ||3.10||

創造主は、はじめにヤッニャと一緒に人間を創造し言いました

これ(ヤッニャ)によって、あなた方が繁栄しますように。

これ(ヤッニャ)が望みを叶える牛となりますように[10]

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クリシュナが述べた特別な牛は、カーマデーヌと言われ、ヴァシシュタという良く知られた聖者のものです。

ある日、ヴィッシュワ・ミットラ王が、大勢の従者を連れてその聖者の住む森にやってきました。

お腹をすかせていたので、食べ物をもらえないかと尋ると、たった5分程で食事が用意されました。

王は、どうしてその様なことが出来たのか、ヴァシシュタに尋ねると、聖者は裏庭に牛がいるからだと答えます。

「牛と、この素晴らしい食事と何の関係があるのだ?」と王が聞くと、「その牛は何でも出してくれるのです。」とヴァシシュタは答えました。

そこで王は、ヴァシシュタにその牛をくれないかと頼みます。

ヴァシシュタは、ブランマ・リシである人にしか従わないので、クシャットリヤである王には、その牛を王にあげても何の役にも立たないと言いました。

この話は、知識を持つ人[ブランマ・リシ]とは、本当はどんな意味か?

「その1つの知識を持つなら、あらゆるものが手に入る」という言葉に基づく比喩です。

ヴァシシュタは、全てが自分自身[ブランマン]である、と理解することで全てが理解される、その知識を持っていました。

この知識を持つことで、全てを持つことになるのです。

なぜならその人は全てだからです。

ヴァシシュタの願いを叶える牛[カーマデーヌ]は知識を表わしています。

「ブランマンの知識が、カーマデ-ヌであることを明かしますように。それがあなたの全ての願いを満たしますように」と、クリシュナはここで述べています。

あなたが満たされていて、完全であるなら、願望はありません。

しかし、あなたが満たされていて、完全であるということを知る為には、ブランマンを知った人でなければなりません。

ヴァッジュラスーチカ・ウパニシャッドというウパニシャッドがあり、ヴァッジュラ・スーチーは、貫いて意味を明らかにするもの、という意味です。

その中でブラーンマナはブランマンの知識を持つ人[ブランマ・ニャーナ]と定義され、 他の人は皆ア・ブラーンマナです。

ブランマンを知る人だけに、願いを叶えてくれる牛は与えますから、その牛は王様には役に立たなかったのです。

王様が牛から受け取ることといえば蹴られるだけで、それに王様はクシャットリヤらしい反応をし、とても怒りました。

王は、牛を得る為にブラフマ・リシになることを誓い、その為に計り知れないほどたくさんの苦行を行いました。

しかし、怒り続けている限り、彼はブラフマ・リシになることはありませんでした。

遂に、王がブランマ・リシになりたい、という望みを諦めた時、その知識を得たのです。

ヴェーダの中で、神はこう言っています。

「ヤッニャがあなたに全てを与えますように。それがあなたの願いを叶えてくれる牛でありますように」

ヤッニャとは祈りです。

それはヨーガとしてあなたに浄化されたきれいな考え[アンタハ・カラナ・シュッディ]を与え、そして知識[ニャーナ]を与えてくれるのです。

ムムクシュは知ることを望み、その為に、あらゆる手段と鍛錬を用います。

それら全てはヤッニャです。